研究概要 |
申請者等は,平成7年度において横波超音波によるコンクリート試験体の測定及び硬化コンクリートを想定した解析モデルを用いて以下のような知見を得た. 1)フレッシュコンクリートの動的せん断弾性係数より,極く若材齢時の圧縮強度の推定が可能であり,動的せん断粘性係数を用いることでさらに精度のよい推定が可能であることが明らかになった. 2)フレッシュモルタルのフロー試験の結果から,動的な荷重と動的せん断粘性係数との関係を検討し,コンクリートの流動性の評価に関して動的せん断粘性係数を含めた評価が可能であることを明らかにした. 3)1次元粘弾性ねじりモデルにより,波動の伝播が確認され横波伝播速度と動的せん断弾性係数の間の弾性体の理論式(1)により整合性が確認された. G'=ρV_S^2 -- (1) ここに G':動的せん断弾性係数(kgf/m^2) ρ:密度(kg/m^3) V_S:横波伝播速度(m/s) 4)コンクリート中での波動の減衰は伝播距離に対してe関数的に減衰するが,これを比例減衰によって表すことが可能であることが確認された. 5)2次元粘弾性ねじりモデルを用いることにより,波動の伝播の3次元的な評価が可能となりコンクリート内部での超音波の広がりが確認され,測定対象物の大きさおよび測定位置による伝達波形の違いなども考慮することが可能であることが確認された.
|