研究課題/領域番号 |
07650666
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
内田 保博 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (80168707)
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研究分担者 |
有馬 冬樹 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60232071)
三谷 勲 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70037935)
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キーワード | 鉄筋コンクリート柱 / 累積損傷 / 軸力 / 繰返し水平力 / 曲げ破壊 / せん断破壊 / 実験 / 収束限界 |
研究概要 |
地震動等の繰返し水平力を受ける柱の累積損傷を予測する方法として、従来収束限界軸力曲線を用いる方法を提案してきたが、今回鉄筋コンクリート柱の収束限界軸力曲線を求める実験を行い、その妥当性について検討した。 鉄筋コンクリート柱試験体として、曲げ破壊及びせん断破壊タイプの2種類計6体製作して実験を行った。実験装置には引張り軸力が載荷できるようにスライド機構を組み込んだ。軸方向変位経路を2種類設定して定変位振幅繰返し水平力を試験体に加え、逐次収束軸力曲線を得た。収束限界軸力曲線を求める方法は既に解析により求めてきた方法と同じであり、一定軸方向変位又は前サイクルでの軸方向変位履歴を与えながら繰返し水平力を加えたとき、変動する軸力の最小値として収束限界軸力を求めた。また収束限界軸力曲線は一般に履歴を描くことが解析により分かっているが、その検証も実験により行った。また収束限界軸力曲線の妥当性を検討するため、一定軸力下での定変位振幅繰返し加力実験を同時に行い、収束限界軸力曲線の妥当性の検討を行った。 次に実験パラメータを用いた解析を行い、実験で得られた収束限界軸力曲線のシミュレーションを行った。鉄筋コンクリート柱の解析モデルは弾塑性体と剛体からなるモデルである。弾塑性体部のコンクリートは層に分割されている。コンクリートの応力度-ひずみ度関係には、繰り返し回数の増加にともなう耐力及び剛性低下を考慮したモデルを用いた。 得られた結果及び結論は以下の通りである。 1.収束限界軸力曲線を実験により得ることができる。 2.収束限界軸力曲線は履歴を描き、この曲線により圧縮側及び引張り側での損傷累積が急増する軸力の限界を予測することが可能である。 3.収束限界軸力曲線の極限点や負勾配の大きさは、累積損傷に対する抵抗の大きさを表す。 4.実験により得られた収束限界軸力曲線は、解析結果と概ね一致した。
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