塩害環境評価について:塩害を引き起こす最大の要因となる飛来塩分量を定量的に求めるために、各種海岸(砂浜海岸、消波ブロック海岸、リ-フ海岸等)において飛来塩分発生量とその鉛直分布を測定した。そして、アメダスの気象データをもとに、風速との相関関係を定量化した。また、上述の海岸における飛来塩分発生量とその鉛直分布を境界条件として、飛来塩分輸送方程式をF.E.Mにて数値解析し、内陸部での飛来塩分量を予測する手法を提案した。この手法は実測結果を良く表している。 劣化評価の指標となる塩化物イオン分布について:鉄筋腐食の発生及び進展(腐食速度)に影響を及ぼす塩化物イオン浸透の過程及びコンクリート中の塩化物イオン分布について、暴露12年及び暴露7年の実大RC暴露構造物により、その特性を観察した。これら結果をもとに、飛来塩分量、中性化、水セメント比、経過時間等の影響を考慮にいれた塩化物イオンの拡散解析手法を提案した。この手法を用いて異なる飛来塩分環境下におけるコンクリート中の塩化物イオン濃度分布を推定し、実測値と比較したところ、本手法で得た結果は、実測値を良く表すことが確認された。
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