本研究は、断面寸法が50×50×100cmの大形断面寸法の供試体から10×10×20cmの標準寸法の供試体までの4種類の寸法をもつ高さ辺長比が2のぷレーンコンクリートおよびこれに帯筋のピッチと降伏強度レベルをかえたコンファインコドンクリートの一軸圧縮荷重下の圧縮特性を実験的に検討し、比較的大形の供試体の圧縮強度の低下の割合、並びに塑性変形性能の低下の状況を調べ、筆者らの従来の実験データと比較検討し、本実験計画で採用する寸法の大形供試体の圧縮特性の寸法効果を調べ、実大供試体の寸法効果を究明する手がかりを得るとともに、コンクリートの寸法効果を考慮した応力-ひずみ曲線の表面式を作用するのが目的である。本年度は、以下の研究を実施した。 1)供試体寸法が50×50×100cmから10×10×20cmまでの4種類の寸法のプレーンコンクリート並びにコンファインドコンクリートについて一軸圧縮実験を実施した。コンクリートの強度レベルは、圧縮試験機の最大荷重の制約から15kgf/cm^2とした。本コンクリート強度レベルのような低強度のコンクリートでは、試験体寸法を50cmまで拡大しても、コンクリート強度の寸法効果はほとんど認められなかった。これらの点については次年度においてさらに検討するとともに、コンクリート強度の高いものについても実験する予定である。 2)筆者らが過去に行った供試体寸法、コンクリートの強度レベルおよび帯筋のピッチを変えたコンファインドコンクリートの中心圧縮実験に基づく応力-ひずみ曲線のデータを用いて、応力軟化域を含めた供試体寸法の相違を考慮した応力-ひずみ曲線の表示式を昨年度作成したが、本年度はこの表示式の各係数の常数項を大幅に減らし、表示式を簡略にするとともに、作成した表示式を大形の供試体に適用して、これらのコンクリートの応力-ひずみ関係を推定し、既往の実験データとの比較を行った。
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