本研究は、高さ辺長比が2のプレーン並びにコンファインドコンクリート角柱体の圧縮特性の寸法効果を、比較的大形の供試体も含めて、圧縮強度の低下の割合並びに塑性変形性能の低下の状況を調べ、筆者らの従来の実験データと比較検討して、実大供試体の寸法効果を究明する手がかりを得るのが目的である。以下に示す3つの研究を実施し成果を得た。 1、寸法が30cmから10cmまでのプレーン並びにコンファインドコンクリートについて、帯筋のピッチをかえた一連の一軸圧縮実験を実施した。その結果、供試体寸法が30cmのものでもなお圧縮強度が低下し続ける寸法効果が認められること、また供試体寸法の増大とともに応力-ひずみ曲線が脆性的になる寸法効果は、寸法が30cmのものでもなお認められた。 2、帯筋比を一定に保ったコンファインドコンクリートの圧縮特性の寸法効果に及ぼす帯筋形状、帯筋ピッチの絶対値、並びにコンクリートの骨材最大寸法の影響についての実験的研究:帯筋比を一定のまま帯筋径を細くして帯筋形状を田型にしたり帯筋ピッチを密にすると圧縮強度が上昇し、圧縮強度の寸法効果は低下すること、帯筋径を細くして帯筋形状を田型にしたり帯筋ピッチを密にしても、応力-ひずみ曲線には寸法効果がみられること、コンクリートをマイクロコンクリート化すると、応力-ひずみ曲線の応力下降域の曲線の形状がやや急になることを明らかにした。 3、筆者らが過去に行った供試体寸法、コンクリートの強度レベルおよび帯筋のピッチを変えたコンファインドコンクリートの中心圧縮実験に基づく応力-ひずみ曲線のデータを用いて、応力軟化域を含めた供試体寸法、コンクリート強度並びに帯筋のピッチを考慮した応力-ひずみ曲線の表示式を作成し、実験効果と比較・検討し、本表示式の表示精度が高いことを確認した。更に、本表示式を大形の供試体に適用して、これらのコンクリートの応力-ひずみ関係を推定した。
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