研究課題/領域番号 |
07650677
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
大田 和彦 近畿大学, 工学部, 講師 (70203784)
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研究分担者 |
在永 末徳 近畿大学, 工学部, 教授 (10148760)
花井 正実 近畿大学, 工学部, 教授 (50037719)
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キーワード | エネルギー吸収ダンパー / ブレース / プレキャスト / 高強度コンクリート / 疲労 / 累積損傷 / 構造特性 / 地震応答解析 |
研究概要 |
申請した研究計画に基づいて、下記の研究を行った。 1)エネルギー吸収ダンパーの実地震応答下における疲労寿命の予測 エネルギー吸収ダンパーの定振幅繰り返しせん断力載荷による極低サイクル疲労実験を行い、次のような結果を得た。 (1)エネルギー吸収ダンパーは十分な塑性変形能力を有し、多数回の繰り返し載荷を受けても急激な耐力低下は生じない。(2)定振幅疲労特性として、Manson-Coffin型の疲労関係式が良好に成立する。(3)地震応答下においても線形累積損傷が成立する。また、これに基づく累積損傷予測式を提案した。(4)激震時(地震最大速度50kine)における累積疲労損傷値は全寿命の0.0105〜0.0279程度であり、エネルギー吸収ダンパーは十分なエネルギー吸収能力を有する。 2)エネルギー吸収型ブレースのブレース部材のRCプレキャスト化に関する研究 高強度コンクリートとの付着性の高い高強度非焼成セラミックス型枠の中に、建築架構の上下の梁との接続用の帯板と鉄筋を配して、高強度コンクリートを打ち込んだ鉄筋コンクリートプレキャスト部材について、その繰り返し引張力に対する亀裂強度、部材内部の帯板鋼とコンクリートとの付着応力分布、鉄筋やセラミックスパネルの協力効果等を明らかにし、ブレース材内部コンクリートの引張亀裂耐力の算定式を提案した。 3)エネルギー吸収型ブレースの配置法と高層建築構造特性設定法に関する基礎資料の収集 下層部にエネルギー吸収型ブレースを有する、21層のブレース付鉄骨架構について、種々の地震波に対する地震応答解析を行い、各構造特性パラメータが建物の応答性状に与える影響及びその適正値を調べ、それらの適正値を用いれば、激震時においても、建物の地震応答が構造設計上一般に認められている限界層間変形角以内に収まるような設計が可能であることを明らかにした。
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