1 「市町村マスタープラン」の策定状況を見ると、平成6年度14市町村、平成7年度58市町村、平成8年度114市町村、平成9年度9月現在で45市町村と増加している。 中でも愛知県と神奈川県に策定市町村が多いが、両県の市町村の「市町村マスタープラン」の内容と策定過程を比較すると大きな違いがあることがわかった。愛知県と神奈川県のそれぞれの市町村の「市町村マスタープラン」の策定時期、策定課程での住民参加や策定内容を比較すると、愛知県は策定時期は早いが、住民参加が不十分なこと、内容が画一的なことが指摘できた。 2 神奈川県内の市町村の「都市計画マスタープラン」の計画策定において住民参加など特徴的な取り組みをした3市の策定過程を詳細に検討した。 具体的には協議会討議型と類型化できる横須賀市の策定過程、ワークショップ型と類型化できる鎌倉市の策定過程、インターネット型と類型化できる大和市の3市を中心に「市町村マスタープラン」の策定過程と住民参加の仕組みを検討し、さらに全国的にも一般的な策定過程における住民参加である説明会型と類型化できる寒川町の検討を行った。 3 わが国の2層制のマスタープランのモデルでもある、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカなどのマスタープランの仕組みを調査分析した。その結果わが国の都道府県レベルと市町村レベルの2段のマスタープラン体制で特殊であること、また指針的マスタープランと拘束的マスタープランの2層制の面では、ドイツ、フランスの計画制度がわが国の2層制と類似し、イギリス、アメリカの仕組みは異なることがわかった。
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