研究概要 |
カタルニアの19世紀から20世紀初頭に亘るカタルニア建築思潮に関して,その背景としてのカタルニア史,並びにバルセロナの都市史(19C.〜20C,初頭)(「残された地図資料から見たバルセロナ(19C.〜20C.初頭)の史的変遷について」1996.3)を概括することによって、その思潮の展開をカタルニアの再生を標傍するカタルニア・ルネッサンサの社会的現象における歴史主義,カタルニア・モデルニスモ、その反動としてのカタルニアノベセンティスモとして捉人直したと同時に,カタルニア建築思潮(19C.-20C初頭)の本質的部分はカタルニア・モデルニスモ運動の展開であり、その発端と普及の過程を、E,Rogent(1821-1897),D. Montaner(1850〜1924),J. Vilaseca(1848-1910),P. Cadafalch(1867-1956),Ll. Mancuuill(1868-1931),J. M. Jujol(1879-1949),R. Maso'(1880-1935)かこの思潮を担った建築家たちの人と作品に関する研究を通してその一端を明らかにしてきた。更にカタルニア・モデルニスモをカタルニアの個別性とヨーロッパの中央と連関する建築の近代化過程という意味において問うとき、その思潮と様式を体現する建築家としてLluis Domench i Moutanerが抽出された。「<カタロニア モデルニスモ>と建築家Lluis Domencch i Montaner-1」はその成果の最初である。そして同時代に活動した重要な建築家Autoni Gauli i Cornetは時代的にはカタルニア建築思潮(19C.-20C.初頭)の枠内に組み入れられるが、その建築思潮内容から言えば、カタルニア・モデルニスモ運動を通して理解されるよりも、個別的に研究することの意味は大きい。
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