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1997 年度 実績報告書

甲突川に架かる石造アーチ橋の復元的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650743
研究機関鹿児島大学

研究代表者

土田 充義  鹿児島大学, 工学部, 教授 (60037819)

研究分担者 小山田 善次郎  鹿児島大学, 工学部, 講師 (00041533)
キーワード西田橋 / 石造アーチ橋 / 反力石 / 護床石敷 / 石橋の嵩上げ / 高欄付石造橋 / 眼鏡橋 / 梯子胴木
研究概要

平成8年度の武之橋の復元につづいて、平成9年度は西田橋の解体に伴う復元調査を行った。その結果明らかになったことは橋の両岸を嵩上げして、中央部の石を削り、橋の水平化を図っていたことである。橋の両岸の嵩上げは石を上手に積み上げていたために、当初からの石積み方法とも解釈できたが後補によるものと分かった。これは西田橋の解体調査の精密さによるものである。
次に西田橋アーチ橋は4連アーチで中央の2連アーチが大きく両端のアーチは少し小さい。その直径の差は半間(11817-10832=985ミリ,(985÷303)÷6.5=0.5)である。大きい方の直径は6間((11817÷303)÷6.5=6)。小さい方の半径は半間すくない5.5間で、それら4連アーチ全体を直径160間(80×2=160)のアーチで設計されたと決定しえた。実測値はアーチを組む仮枠の半径とは異なる。仮枠の寸法を設計寸法とし、実測値はそれよりも直径が伸びる。上から加重でアーチ石が緊密になるためである。
その他復元調査で鶴丸城側に階段が5段設けられていたことを発掘の結果確認することができた。アーチ橋を支える反力石や護床石の配列、護床石の下の梯子胴木の確認もできた。
最後に何故復元するか。その意味は何かを述べた。それを簡潔に述べるならば、復元を試みる過程が重要であるということである。建造物であれば創建期の柱間が縮まるということはない。しかし石造アーチ橋は組積造であり、上に積み上げることでアーチの円形が変化をする。このことを考慮しての復元であるから、容易に復元できない。形態を変化させる種々の要因があることに気づかせるのも復元の試みからである。復元という到達点が不可能であれば一層深めることができるといえる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 渡邊輝美・土田充義: "都市景観の要素としての石橋アーチ橋の研究" 日本建築学科 九州支部研究報告書. 第37・3. (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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