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1995 年度 実績報告書

古代ギリシア・ローマ時代の観劇施設の動線から見た平面分析

研究課題

研究課題/領域番号 07650749
研究種目

一般研究(C)

研究機関九州東海大学

研究代表者

渡辺 道治  九州東海大学, 工学部, 助教授 (70269108)

キーワードギリシア時代 / ローマ時代 / 劇場 / 動線 / 客席 / 平面
研究概要

1)古代ギリシアとローマ時代の観劇施設の資料・図面の収集は、劇場については45例、円形闘技場については15例であった。それらの図面は、すべてパソコンに図面データとして整理した。
2)本年度は劇場の平面図の分析(37例)を行った。その概要は以下のとおりである。
a)観覧席の大きさは255m^2〜4575m^2までの範囲で特定の大きさに集中することなく広がり、3000m^2を越える例は特に大きな劇場といえる。その大きさは地域的、年代的な偏りも見せていない。
b)座席の大きさを見ると、奥行きは50cm〜91cm、高さは30cm〜46cmであり、年代上および地域上の偏りは特に見られない。ただし、ローマ時代の劇場の座席の高さは、ギリシア劇場の場合よりも若干そのバラツキが小さい傾向が見られる。
c)通路パターンは5つに分類された。その半数強は水平通路で二段の観覧席に分かれ、放射状に二段の観覧席を貫通して階段通路が延びる場合と、同じく水平通路で二段の観覧席に分かれるが、上段の放射状階段が下段のそれの2倍置かれる場合である。通路パターンと年代、地域はほとんど関係していない。
d)水平通路と階段通路で囲まれた観覧席の大きさは20m^2〜390m^2までさまざまであるが、50m^2〜100m^2の間にあることが多い(つまり83人〜167人分)。この大きさは劇場の全体の大きさ、年代、地域のいずれとも相互の関係はきわめて薄い。
e)水平通路と階段通路で囲まれた観覧席の大きさは、ひとつの観劇において全て同じであることはきわめて少なく、若干の相違を見せながら、中心軸に対して左右対称に配置されている。
3)現段階における結論
劇場の観覧席の平面の形は、古代ギリシアでは半円より大きく、古代ローマでは半円という大きな相違があった。しかし、観覧席の規模や通路パターン、水平通路と放射状階段通路で囲まれた観覧席の大きさなどの比較から、その両者の間にはほとんど相違が見られない。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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