MnBiの母合金作製にあたり、2社の電解マンガン(99.99%at%)を購入して、アーク溶解処理を行い、不純物、特にガスを取り除いた。分析の結果、両社のマンガンとも100ppm程度のWの残留物があったがガス類はほとんど無くなった。この結果、炉中、高温にしてもMnによる煙は観測されなくなった。このMnを用いて石英管に真空封入して包晶反応をさせて作るとき、空気中に取り出すとき異常な熱を発生する。今回アーク溶解法でMnBiの母合金作製を試みた。はじめBiを溶解しそしてMnを加熱する。この様にすると、MnBiの反応が進み、試料が急速に加熱されない。得られた試料のX線回析や磁性材料としての磁気特性の測定を行なった。これまでの結果として充分なMnBiが出来たと云えないが、条件を調整すれば改善される思われる。一方、ゾーン・メルト法用の真空電気炉は既存の装置との組合せで行なった。現在、局所加熱部と真空系の一部の補修を行なっている。急速凝固法によるリボンの作製を行なった。得られたリボンはもろく改良を試みている。これらの結果は秋の日本金属学会で発表する予定である。
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