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1996 年度 研究成果報告書概要

結晶粒界性格に注目した相変態・析出挙動と組織制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650764
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 金属物性
研究機関京都大学

研究代表者

津崎 兼彰  京都大学, 工学研究科, 助教授 (40179990)

研究分担者 古原 忠  京都大学, 工学研究科, 助手 (50221560)
研究期間 (年度) 1995 – 1996
キーワード結晶粒界性格 / 相変態 / 核生成サイト / 析出 / マルテンサイト変態 / バリアント規制
研究概要

1.凝固柱状晶材からのFCC→BCC拡散変態
FCC相で凝固してBCC相を析出しさらに室温にて母相が残存する合金としてNi-43%Cr合金を用い,これを真空溶解・金型鋳込みすることにより,0度から45度の種々の<100>傾角粒界を持つ柱状晶材を作製した.これを1573Kで均一化処理を施した後,FCC+BCC2相温度域で恒温保持しBCC相を析出させた.こられの試験片から粒界面が薄膜面に垂直になるように透過電顕試料を作製し,電顕観察により生成相のバリアントと粒界性格の関係を検討した.
この結果,粒界面とFCC相{111}面のなす角度θが20度以下の粒界では,特定のバリアントが優先的に生成するのに対して,θが30度以上の粒界では特定のバリアントの優先性はなく複数のバリアントが生成することを見出した.すなわち,粒界析出物のバリアント選択は粒界面方位に強く依存することを明らかにした.
2.マルテンサイト変態の核生成サイトとして働いた結晶粒界の性格
室温以下の温度への適切な冷却により少量のラス状マルテンサイトが生成することを確認しているFe-26%Ni-2%Mn合金を用いた.さらにマルテンサイトの核生成場所として働いた結晶粒界の特定を容易にするため柱状晶組織を持つ試料を作製した.この試料をサブゼロ処理して少量のマルテンサイトを生成させ,結晶粒界が核生成サイトとして働くか否かを観察した.さらに核生成サイトとして働いた結晶粒界の粒界性格をSEM-ECP法により決定し,これよりマルテンサイト変態の核生成サイトとして働く粒界が特徴ある粒界性格を持つか否かを検討した.
その結果,変態初期のマルテンサイトは全て結晶粒界から生成していた.また,マルテンサイトを生成した粒界とそうでない粒界があり,結晶粒界によって核生成サイトとしての能力の差があることが明らかとなった.マルテンサイトが生成していた粒界の特徴として,(1)粒界面方位が{100}に近いこと,(2)方位差角が10〜15度であることが挙げられた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Tsuzaki: "Potency of Grain Boundaries as Martensitic Nucleation Sites" Journal De Physique IV Collogue C8, supplement au Journal de Physique III. 5. C8-167-C8-172 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K.Tsuzaki, N.Harada, and T.Maki: "Potency of grain boundaries as martensitic nucleation sites. columnar crystals in a 19%Cr ferritic stainless steel." Journal de Physique 4, Colloque C8, Supplement au Journal de Physique 3. Volume 5. C8-167-C8-172 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-09  

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