1)焼結プロセス 焼結プロセスの研究では、焼結助剤、温度、雰囲気、時間などをパラメータとして実験を行った。焼結助剤としての有効性は水を用いたスレ-キング試験とビッカース硬度によって評価した。比較的低温で溶融するアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩が焼結に有効に作用することが判明したが、中でもLiFのほかLi_2CO_3が助剤として有効に作用することが判明した。次いで、炭酸ガス分圧を制御した加熱実験では、CO_3中で焼結させるとCaCO_3の分解温度が上昇し、約700℃までの温度で焼結させることができた。また、このときCaCO_3の粒成長が著しいことが分かった。 2)評価 評価の研究では、上記実験で得られた焼結体の収縮率、気孔率、粒子径の測定や微構造観察を行った。その結果、CaCO_3の粒子は焼結が進行とともに大きくなり、525℃では約6mnとなった。さらに高温では焼結温度の上昇とともに粒成長が進み、700℃で焼結させた試料では肉眼で粒子が識別できるまで粒成長が進ことが明らかになった。また、焼結体をSEMおよびTEM観察した結果、焼結温度が低いものでは粒界に非晶質物質とLiFが存在することが分かった。上記の結果を解析して焼結機構の解明を行ったところ、液相焼結であることが明らかになった。
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