研究概要 |
[目的]本研究はSiC粒子あるいはAl_2O_3粒子を強化相とし、アルミニウム合金(JIS A6061)をマトリックスとした複合材料どうしの接合を、純Cuをインサート材として検討することを目的とした。 [研究の進展状況] 1.複合材料:3種類の複合材料(10%SiC/6061,20%SiC/6061,10%Al_2O_3/6061)を用いた。 2.インサート金属:厚さ3.0,10.0μmの純Cu箔を用い、厚さと継手強度の関係を求めた。 3.接合界面の微小部解析:マトリックスとCuとの反応をマクロ的な見地からX線解析し、ミクロ的な解析法として、TEM観察により酸化物相とCuとの関連およびCuAl_2相の析出状態を分析した。 4.後熱処理の影響:マトリックスのA6061合金はT6処理が可能なので、TLP接合後熱処理し、複合材料としての強度特性を、母材と比較検討した。 なお、消耗品費として複合材料、銅箔、研磨材を購入し、試験研磨のために研磨機、真空排気のために真空回転ポンプを設備備品として購入し、本実験の遂行に供した。 [新たに得られた知見] 1.Al合金のTLP接合にはCu箔が最適であり、その厚さは0.5〜3.0μmである。 2.接合条件は接合温度570℃、接合時間0.3ks、接合圧力1.0Mpaであった。 3.Cu融液は表面のAl_2O_3皮膜を破壊する作用がある。 4.T6処理によって、継手の著しい強度改善が認められた。 5.接合界面における強化粒子の偏析は、Cu層の厚さを薄くすることによって抑制できる。
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