研究課題/領域番号 |
07650853
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
矢ヶ崎 隆義 工学院大学, 工学部, 助教授 (30146732)
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研究分担者 |
伊藤 紀子 東京都立科学技術大学, 自然系, 助教授 (30040116)
鷹野 一朗 工学院大学, 工学部, 助教授 (70226801)
木村 雄二 工学院大学, 工学部, 教授 (90107160)
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キーワード | 高分子系材料 / イオンビームミキシング法 / Ti,TiO_2薄膜 / 多機能化 / 劣化挙動 / 耐候性 / 表面電気抵抗 / 抗菌作用 |
研究概要 |
平成7年度より、各種高分子材料(主として、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン、及びポリウレタンアクリレート系光硬化性樹脂ポリエーテルイミド樹脂)の表面に、イオンビームミキシング法によるTi,TiO_2薄膜の付与を試み、個々の組み合わせにおける薄膜生成条件の確率を図るべく実験を実施してきた。また平成8年度から、薄膜を付与した同系材料について、環境劣化試験及び電気特性試験(平成7年度申請設備薄膜電気特性評価装置・申請設備備品を用いた)を実施してきた。当初予定していた平成7、8年度の研究計画項目の大部分を年度内に消化し、それぞれの年度終了時には予定を上回る結果を得た。平成7、8年度までの研究により、高分子系材料に対するイオンビームミキシング法による薄膜付与技術をほぼ確立、接着強度の高い薄膜を生成することが出来た。さらに、この薄膜を付与した高分子系材料は未付与高分子系材料に比して、耐環境劣化性(耐線照射性も含む)・耐磨耗性・抵菌性等が各段に向上すること及び優れた電気特性を有すること等が明らかとなった。 これらの結果を受け最終年度である9年度では、膜厚の極めて薄い付与材について各種機能が保持されるのかを確認する実験を実施した。その結果、極めて膜厚の薄い薄膜付与材であっても、例えば光透過性を保持しつつ先述の特性を発揚することがあらたに判明した。また、各種分析手法により線照射による劣化の評価を試みた結果、特定波長の紫外線及びガンマ線の照射を受けた熱硬化性樹脂の結合鎖切断にある規則性が確認された。さらに、薄膜成分原子および母材樹脂分子から成る混合層のみの形成を試みた結果、この混合層にも薄膜付与材と同じ機能性が存在することが確認された。 現在、これらの成果をまとめ、提出用報告書を作成中である。
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