1.音波印加による気-液反応の促進に関するコールドモデル実験:容器中の水溶液をプロペラにより攪袢させながら上吹きランス(I.D.3mm)からガス(CO_2または空気)を吹き付け、気-液反応を起こさせた。反応としては、律速段階が液相側での物質移動(2NaOH+CO_2=Na_2CO_3+H_2O‥(a))の場合と気相側物質移動(2Na_2SO_3+O_2=2Na_2SO_4‥(b))の場合の2種類を選んだ。ガスの吸収速度を測定し、物質移動係数kを求め、ガス流量(0.63〜8.7Nl/min)、プロペラの回転速度(0〜200r.p.m.)及び音波の周波数(0〜15KHz)の影響を調べた。物質移動係数kは周波数とガス流量が大きくなるとともに増加する。また音波の影響はガス流量が大きいほど減少する。また、気相側物質移動律速の場合は液相側物質移動律速の場合に比べて音波の影響が大きいことを明らかにした。 2.低温モデル実験により、泡立ち速度に対する音波の周波数fと液体粘性の効果を調べた。容器(内径80mm、高さ370mm)に界面活性剤を含んだ水溶液(300ml)を入れ、スピーカにより上から音波を印加させながら液体に窒素ガスを底吹きして、泡立たせ、泡の高さの経時変化を測定した。f=0〜5000Hzの範囲では、泡立ち速度は周波数によって上下する。これはある周波数ではスピーカと容器の底の間で定常波が発生することに起因すると考えられる。粘性が大いと音波の効果は増加する。また、抵抗炉を用い、合成スラグ(約300g)を、実験温度1270℃でステンレスるつぼに溶解し、スラグフォーミングに及ぼす音波の周波数の影響(0〜15Hz)を調べた。泡立ち速度は低周波数f=0〜2.5KHzでは周波数により上下して変化し、2.5<f<6Hzで一度急激に減少し、8<f<15Hzで再び増加する傾向にあることがわかった。
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