研究概要 |
酸化鉄試料として,速度論的評価方法の確立している酸化鉄ペレットを用い,これを反応管に2kg充填し,電気炉により所定の温度で,CH_4-N_2,CH_4-H_2O-N_2あるいはCH_4-CO_2-N_2混合ガスにより還元した.各ガスはボンベから供給し,質量流量制御器により流量調整の上,混合して反応管内に流した.反応後の排出ガスは,凝縮器で水分を捕集した後,ガスクロマトグラフを用いて各ガス成分濃度の経時変化を分析し,所定流量流しているN_2ガス(これは反応に関与しない)との比較により各ガス成分の流量を評価した.還元前後のガス中のCバランスから,析出したC量を推定し,反応管内壁等に付着したものとペレットに付着したものとを区別した上で,ペレットの質量減少量から還元率を評価した.また試料を切断・研磨して,断面を顕微鏡観察ならびにEPMA分析した.以上の実験を広い実験条件に渡って行った.すなわち還元温度,ガス濃度(特にCH_4とH_2OまたはCH_4とCO_2の比率),ガス流量を変更した実験を行った. 以上の実験データを使用して,還元反応モデルを用いた速度論的解析に基づき,反応機構の解明と反応速度の評価を試みた.ここで,反応モデルには三界面未反応核モデルを適用して,まずH_2-H_2O-N_2およびCO-CO_2-N_2混合ガスによる酸化鉄ペレット単一粒子の還元により,H_2系とCO系の場合の速度パラメータ値を決定した.つぎにCH_4の関与する各種反応について,熱力学データおよび文献値も参考に,固定層の実験データから速度論的解析を試みている.
|