平成7年度の主な研究成果は以下の通りである。 1.マイクロ波照射量と温度の関係の調査 1)放射温度計を使用し、熱電対使用時の検定を行った。 熱電対をア-スすることで、マイクロ波照射中も温度の測定が可能であることなどが明らかになった。これにより、試料内部の温度分布の測定が、多点で同時に測定できるため、マイクロ波照射量と温度の関係を定量化する見通しがついた。 2)炭素量が多くないと温度が上昇しないことが分かった。従って、次の3の結果と併せて考えると、発熱源として炭素が必要であることが分かった。このことから、炭素内装ペレットの還元には熱的にもマイクロは照射はかなり有効であることが予想される。 3)ヘマタイトよりマグネタイトやウスタイトの方が温度が上昇しやすいことがわかった。従って、還元の進行に伴い、温度は上昇しやすくなることが分かった。 2.マイクロ波を加えない場合の酸化鉄の還元速度の測定及び還元速度解析。 1)CO還元並びに炭素還元を行い、速度解析を行った。 3.マイクロ波照射による還元実験及び還元速度解析。 1)生成ガスの分析により反応速度を求めた。 2)炭素がないと温度が十分に上がらず、COガスだけでは還元は進行しにくいことが分かった。 3)還元速度は、炭素量やマイクロ波の出力量に依存することが分かった。 以上のように、基礎的なデータをかなり得ることができ、次年度予定している製造条件の最適化の見通しもついた。
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