研究課題/領域番号 |
07650890
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
内田 重男 静岡大学, 工学部, 教授 (10023194)
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研究分担者 |
前澤 昭礼 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (20209365)
岡村 静致 静岡大学, 工学部, 教授 (20022014)
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キーワード | 懸濁気泡塔 / ホールドアップ / 超音波 / 伝播時間 |
研究概要 |
懸濁気泡塔または三相流動層内の粒子およびガスホールドアップの測定に超音波法を確立した。本測定法は周波数の関数となる音速変化への粒子および気泡の影響を利用し、二種類の周波数を用いた。この方法を用いて懸濁気泡塔内の粒子および気泡の分布を測定し塔内の流動解析に応用した。また、完全発達した流れ領域において半径方向の粒子濃度(ホールドアップ)分布を詳しく調べ、粒子分布の構造に対するガスおよび液空塔速度および粒径の影響を検討した。粒子は塔壁付近では濃度が高く、塔中心部では低いことがわかった。ガス空塔速度または粒径が大きくなると塔壁付近でのピークがさらに高くなり塔中心では低くなることがわかった。一方、液空塔速度が大きくなると、逆に粒子の濃度分布はやや平らになる傾向があった。 完全発達した流れの領域における半径方向の粒子濃度分布の構造を説明するために気泡ウェーク・粒子拡散モデルを提案した。本モデルは気泡およびウェークと粒子との相互作用、粒子の濃度勾配による拡散力および液速度分布による揚力を考慮した。モデルによる計算と超音波法による測定結果とを比較したところ本モデルは実験結果をよく説明できた。 また、二種類の周波数を用いる代わりに一種類の周波数のみでもできる方法を確立した。本方法は二種類の周波数で超音波の伝播時間のみを注目する代わりに、一種類の周波数で伝播時間と減衰を注目する。これによって測定はより簡易でコンパクトかつ粒子およびガスホールドアップを同時に瞬間的に測定できるようになった。この方法を用いて懸濁気泡塔内全体の粒子および気泡の分布の測定に成功した。
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