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1995 年度 実績報告書

高圧下の固液および液液平衡に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650897
研究種目

一般研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

田中 嘉之  神戸大学, 工学部, 教授 (70031094)

キーワード固液平衡 / 液液平衡 / 高圧相転移 / 共晶状態図 / 液晶
研究概要

研究代表者らは、これまでに単純共晶系、中間化合物を生成する共晶系、全率固溶体系など種々の有機物質2成分系の固液平衡を高圧下で測定し、固液平衡関係の温度・圧力・組成依存性等について検討してきた。また最近では、等方性液体の他に新しい成分として種々の物性が異方性を示す液晶を加えることにより、固相-液晶相、液晶相-等方性液体相などの相転移についても測定を行っている。平成7年度は、(1)先に測定したベンゼン、シクロヘキサンとn-ヘキサデカンからなる4種類の2成分共晶系の研究成果をふまえて、新しくベンゼン、シクロヘキサン、n-テトラデカンからなる3成分系相状態図に対する圧力効果を究明すること(2)液晶-液晶、液晶-等方性液体などの新しい組合わせの溶液について、固相-液晶相、液晶相-等方性液体相などの相転移を高圧化で試み、従来知られていない未知の現象や新しい圧力効果を生じるかどうかを究明することの2点を主要な目的として研究を行った。
(1)については、既存のサファイア製窓付高圧固液平衡測定装置をそのまま用いて、230〜323K, 0.1〜120MPaの範囲で測定を行い、高圧下の3成分系共晶図の挙動を観察し、成果を第4回アジア熱物性会議(1995年9月,東京)で報告した。先に測定した4種類の2成分系共晶図に対する圧力効果から予測されるように、3成分混合系の共晶点も、組成は常圧の値とそれほど変化することなく、加圧とともに状態図全体が温度軸とほぼ平行に高温側に移動することが確認された。3成分混合系の固液平衡に対する圧力効果の研究は世界的にあまり例がなく、温度T、圧力P、組成x_1,x_2の4次元の状態曲面となり、2成分系状態図と比べて測定が飛躍的に煩雑となるので、多大の労力と時間を要する。従って、独自の工夫と研究方法を開拓することが望まれる。
(2)に関しては、従来使用してきた液晶用高圧相転移測定装置に、本年度新しく-40〜150℃で精密制御可能な液体恒温槽と温度計を購入し、温度制御機構を変更しことにより、装置の機能が向上した。偏光顕微鏡とCCDカメラを備えた高圧下の相転移観察装置を完成したので、この装置と、既存の同心円筒系小型蓄電機とLCRメータを用いて、ネマチック液晶(MBBA+EBBA)系の相転移に対する圧力効果を目視観察と誘電率測定の両面から検討している。また、液晶と、無極性あるいは極性の等方性液体間の分子間相互作用は興味深く、従来ほとんど研究されていないので、液晶相-等方性液体相間の相転移に対する等方性液体添加の効果や、液晶の分子配向消滅の臨界濃度の有無などについて、常圧で精密測定中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y. Tanaka, M. Kawakami: "Solid-Liquid Phase Equilibria in Binary (benzene, Cyclohexane + n-Tetradecane, n-Hexadecane) and Ternary (Benzene + Cyclohexane + n-Tetradecane) Systems at Temperatures 230-323 K and Pressures up to 120 MPa" Proc. 4th Asian Thermophys. Prop. Conf., Tokyo, Japan. Vol. 2. 487-490 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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