サイクロン混合型シャーベット状アイス製造器のテスト器の試作と性能試験結果より、当初の目的としたシャーベット状アイスの製造が可能であり、製造器の高生産性と小型化が実現できることを明らかにした。しかし、高流量の条件では、不凍液のエマルジョン化が問題となり、実用化の観点からその防止策をさらに検討する必要がある。本製造器内では、液液2相流の3次元流れ場であるとともに氷結晶が発生・成長する複雑な流れ場であり数値解析モデルの開発が困難であるため、鉛直円管内で同様のシャーベット状アイス製造実験を行い数値解析モデルの基礎を確立した。数値解析モデルはサイクロン型製造器の解析モデルの構築に有用である。しかし、壁における氷スケールの問題について、壁材質とスケール発生・成長との関係を実験的に明らかにし、最適な装置材質を決定する必要がある。鉛直円管内において、零下の排水溶性不凍液と水を、液液二相流として流動させることにより、リキッドアイスの生成を試み、垂直円管内での排水溶性不凍液と水の直接接触による、リキッドアイスの連続生成が可能であることがわかった。また、伝熱容量係数を用いた実験式を得、これにより伝熱効率、氷結晶発生位置、水に対する氷の質量比が、総流量と水流量の比のみの関数で示されることが明らかにした。
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