平成7年度 無水塩化イットリウム、金属バリウム、無水塩化第二銅、およびイソプロピルアルコールを出発原料として、それぞれのイソプロポキシドのイソプロピルアルコール溶液を作り、この三種のイソプロポキシド溶液をよく混合してから同時加水分解して、Y-Ba-Cuの複合酸化物の懸濁液を作った。この懸濁液を水で洗浄することにより、イソプロピルアルコールの濃度をうすくしてから真空凍結乾燥して、複合酸化物微粉体を作った。この粉体の粒径測定、示差熱熱分析、熱重量分析、元素分析、磁化率測定、等のキャラクタリゼーションを行った結果、高温超伝導体用原料として良好な微粉体であることが確認された。この研究結果は第13回国際真空会議・第9回固体表面国際会議(平成7年9月、於横浜)で発表し、平成8年9月にApplied Surface Science誌に掲載された。 平成8年度 二酸化炭素を用いる超臨界乾燥装置の組立と調整を行い、50〜140気圧、30〜50℃で、二酸化炭素へのイソプロピルアルコールおよび水の溶解度の測定を行うとともに、高圧下での気液平衡関係を数種の熱力学的モデルにより求め、実測の溶解度のデータとの比較検討を行って、操作条件を決めた後、上記の懸濁液を超臨界乾燥して微粉体を得た。この超臨界乾燥実験の結果は良好であったので、第47回カナダ化学工学会議(平成8年9月、於Kingston)および化学工学会第29回秋季大会(平成8年9月、於京都)で発表した。現在、投稿準備中である。
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