研究課題/領域番号 |
07650920
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中野 義夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30092563)
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研究分担者 |
清田 佳美 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (60216504)
中崎 清彦 静岡大学, 工学部, 助教授 (70180263)
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キーワード | 環境感応型高分子ゲル / 自律応答機能 / 物質移動 / 膨潤・収縮速度 / 温度スイング / 吸着 / 酵素活性 |
研究概要 |
感温性ゲルであるN-イソプロピルアクリルアミドゲル内に固定化されたインベルターゼの活性に及ぼす温度刺激の効果を検討した。N-イソプロピルアクリルアミドのモノマー溶液中にインベルターゼを導入し、pH=4のフタル酸緩衝溶液中でラジカル重合により酵素固定したゲル粒子を合成した。ゲルの粒径は425μm以下であった。本ゲル粒子を所定量の蔗糖溶液中に投入し、定温もしくは温度スイング下で酵素活性の測定を行った。酵素の活性は、プロダクトのグルコースをグルコーステストワコ-により定量化することによって求めた。温度操作によりゲルの網目孔径を制御し、基質のゲル内流入を調整することによって、酵素活性を制御できることが分かった。固定化酵素の活性に及ぼすゲルの動的挙動の効果を検討した。この結果、ゲルの動的挙動を制御する(温度スイングによりゲルを脈動させる)ことによって、酵素活性の制御・向上を図ることが可能であると分かった。酵素活性に及ぼすゲルの操作条件として、次の操作が有効であると分かった。1)ゲルの膨潤収縮の幅。2)ゲルの収縮状態の時間。3)ゲルの膨潤・収縮速度。従って、膨潤収縮挙動が三角波を描くような脈動を起こすことが酵素活性向上の最適条件となることが示唆された。これらの結果から、スキン相を形成せず、応答速度ならびに膨潤収縮の変位の大きなゲルの分子設計、応答速度を速くする操作条件に関する知見を得た。
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