研究概要 |
2価の金属(Ni,Co,Zn)および3価の金属(Fe,Bi)からなるオルトおよびパラリン酸塩によるイソブタンの酸化とアンモ酸化を試みた。反応結果から一般にピロリン酸塩はオルトリン酸塩にくらべて酸化活性が弱いことを見いだした。これはピロリン酸塩の酸強度がオルトリン酸塩より弱いためイソブタンからの第二級水素の引き抜きがしにくいためと考えた。また、これらのリン酸塩触媒から得られたイソブタンの酸化およびアンモ酸化生成物は目的としたメタクロレインヤメタクリルニトリルではなく、反応で、前移階い生成する脱水素物イソグテンであった。さらに4価からなるZrP_2O_7と(VO)_2P_2O_7によるイソブタンの酸Clとアンモ酸Clを試みた。その結果ZrP_2O_7では2価,3価のリン酸塩触媒と同様イソブテンのみの生成となった。しかしながら(VO)_2P_2O_7では酸Cl反応ガス中にアンモニアを加えると440℃以下では主として酸Cl脱水素によるイソブテンが生成し、温度が高くなると多クリルニトリルが主生成物となった。 これらの結果からレイス酸点をもつ金属リン酸塩は低級アルカンの酸化脱水素杆能をもつがアルデヒド(メタクロレイン)ヤニトリル(メタクリルニトリル)生成のためには(VO)_2P_2O_7のように金属リン酸塩が2重結合性の酸素をもつ必要があることを明らかにした。
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