研究課題/領域番号 |
07650946
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
オボンナ ジェームスチュクマ 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (00261777)
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研究分担者 |
田中 秀夫 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (40015657)
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キーワード | ヘチマ繊維体 / 細胞の固定化 / 固定化担体 / 凝集性細胞 / カビ / 充填層 / 好気性発酵プロセス / アミラーゼ生産 |
研究概要 |
平成7年度では各種微生物細胞のヘチマ繊維体への固定化および嫌気的な発酵プロセスへの応用についての検討を行った。その結果、様々な微生物がヘチマ繊維体に効率的に固定化することができ、固定化酵母を用いて長時間安定したエタノールの生産が可能であることが明らかとなった。今年度は好気性プロセスへの応用についての検討を行った。 天然の円筒状のヘチマ繊維体にカビ(Aspergillus awamori)を固定化し、好気的な条件下でアミラーゼ生産の検討を行った結果、600時間以上の連続生産が可能であった。このシステムのアミラーゼ生産性はアルギン酸を用いた包括固定化法で得られた値より高かった。次に以記のリアクターとカットしたヘチマ繊維体に固定化したsaccharomyces cerevisaeを組み合わせて澱粉からの連続的なエタノール生産についての検討を行った。A.awamoriのリアクターの排出培養液(粗酵素)を酵母のリアクターに連続的に添加した。酵母のリアクターではA.awamoriのリアクターから添加した粗酵素による澱粉の糖化と固定化した酵母によるエタノール生産が同時に行われた。このシステムを用いることにより澱粉からのエタノール生産が可能であったが粗酵素と新鮮澱粉培地を同時に酵母のリアクターに添加したため、粗酵素および基質の濃度が低く、システムの生産性は低かった。 この問題の解決法として、A.awamoriとS.cerevisiaeを同時に固定化た単槽のリアクターを用いた連続培養を行った。その結果、定常状態におけるエタノールの生産性は上述のA.awamori槽とS.cerevisiae槽の2槽連結システムと比べて6倍以上が得られた。しかしながら、エタノール収率は0.31g-ethanol/g-starchの低い値を示し、このシステムにおいては、グルコースの蓄積が見られず、糖化反応が律速となっていることが明らかとなった。従って、このシステムの生産性を向上させるためには、酵母固定化層をより嫌気的な条件にしたり、固定化槽におけるA.awamoriの割合の増加や他のアミラーゼ生産菌との混合固定化等の検討が必要である。
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