研究概要 |
1)今年度前期は後期より予定している培養実験に対し安定して試料を提供できるようにWistar系ラット(Kud-Wistar-SPF: 週令3〜4週)を用い各手技(採取・継代・凍結保存)の確立を行った。腹膜中皮細胞の採取は腹壁から採取する方法と大綱から採取する方法を検討し、収率の点、継続して繊維芽細胞を採取する目的には後者を選択した。 2)現行の腹膜透析と類似の状況(1.高浸透圧、2.高グルコース濃度、3.低pH)を培養条件に組み入れ,標準的な培養条件下での増殖能との比較を行っている。最終グルコース濃度を30mM、60mM、90mM及びpH5、pH6、pH7.4、pH8とし細胞増殖能をDNA合成能(5-Bromo-2′-Deoxy Uridineの取り込み)を評価している。取り込み量は細胞周期に影響されるため現在その最適化をはかっている。 3)次年度以降の実験モデルとして膜孔0.4μの合成膜上にI型コラーゲン及びIII型コラーゲンを被膜した膜に腹膜中皮細胞、血管内皮細胞を培養し、アルブミンの透過速度を測定する実験を始めている。膜透過性の分子マーカーとして用いているアルブミンがDNA合成能を抑制する結果となり現在その原因を検討中である。
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