ファインセラミックス中の不純物を原子発光法で直接分析するための新しい励起源を開発し、その基礎的な特性を検討した。 1.黒鉛とタンタルからなる試料カップを電極とした減圧ヘリウムプラズマ発生セルを設計、製作した。 2.高周波電源部を(〜1kW)を構成し、10数mmHgのヘリウム圧力の下、約500Wの高周波電力でプラズマの生成および試料電極の発熱を確認した。 3.アルミナ、窒化珪素等のニューセラミックス粉体中の種々の元素について発光ピークを観測したが、強度は弱かった。 4.そこで、ネオジウム・YAGレーザーを試料カップ中のセラミックス粉体へ直接照射したところ、レーザー出力約124mJ/パルスで、発光強度がパルス状に増大することが判明した。 5.約13ミリ秒持続する、増大発光ピークをボックスカ-積分したところ多くの元素について3〜5倍の感度上昇がみられた。これはにはレーザーによるアブレーションの効果が寄与していることを確認した。 6.従来の湿式灰化による方法で得られた分析値に近い結果を得た。しかも、分析時間は10分の1以下と大幅に短縮された。
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