研究概要 |
(1)フローインジェクション法(FIA)や液体クロマトグラフィー(LC)などのフロー分析流路系に,超微量から通常流量(2μl/min〜2 ml/min)までの3オーダーの広い流量範囲で,精密かつ安定した送液の可能なコンピュータ制御のパルス吐出マイクロポンプ,およびこの種の流動系での過渡応答検出に最適と考えられる半導体レーザーと長光路フローセルを組み合わせた超高感度検出システムを適用し,最高性能を引き出せるような装置・要素技術の開発を目指した結果,半導体レーザー分光法は超精密流量ポンプを備えたフロー分析流路系に長光路フローセルを設置することにより超高感度検出が可能になることが明らかになった。 (2)四連のシリンジを正確に動作させるには,コンピュータによる精密制御を要し吐出はコンピュータからのパルス信号に従い1μ1ずつをパルス状に左右交互に押し出す必要があった。パルス時間分割制御により,超精密かつ広範囲な流量調整ができると考えられたので,このポンプを用い毛細管内流動と溶質分散にかかる数値解析と実験検証に関するこれまでの研究成果を背景に,超微量の流量域から通常流量域まで広範囲の実験を行うことにより,分析装置設計に分子化学工学的アプローチを導入する試みを行い,性能評価と操作因子の数式化を試みる特性評価研究を行った。 (3)キャピラリー・フロー系で起こる対流分布と分子拡散とによる溶質分散挙動解析に基づき,FIA反応場の最適化と分析反応の操作条件をリン,シリカの半導体レーザー/長光路フローセル超高感度検出システムの応用研究を通じて解明できた。 物理的因子のみならず化学的因子をも考慮して,超精密流量で高分解能分析を可能にするLCやFIA開発で,パルス吐出方式マイクロポンプを用いて設計した。
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