1.メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)の表面フッ素処理によるナノスペース構造とπ電子系の物性制御、リチウム二次電池負極特性 (1) 1000℃、2800℃熱処理MCMBは25℃〜200℃のフッ素処理で多様な組成のC_XF(50【greater than or equal】x【greater than or equal】0.7)を生成する。x<1のC_XFではC-F共有結合性、x>6では半イオン結合 (2)フッ素処理の前後でXRDパターンに変化が認められず、バルク層では、π電子系が完全に保存されている。 (3)最適なフッ素処理試料をリチウム電池負極として用いた場合、未処理MCMBよりかなりの可逆容量の増加が明らかにされた。この現象は、フッ素処理によるMCMBのナノスペースπ電子系の変化に起因したものであることは明らかであり、新規な炭素負極材料の開発につながる成果である。 2.フッ素-グラファイト化合物の透過型電子顕微鏡、電子分光および電気化学的性質によるキャラクタリゼーション TEM、XPS、NEXAFSおよび電気化学的測定によって得られた結果を統合することによって、共有結合性化合物 (CF)_n、半イオン性およびイオン性化合物C_xFのエレルギーバンド構造の概要を把握し、バンドモデルを提案 できた。 3.活性炭素繊維(ACF)のフッ素処理によるマイクロポアシステムの構造制御セルロースおよびピッチ系のACFを100℃、1 atmで24時間処理することにより、表面がフッ素修飾されたF-ACF(C_<1.4>F)が生成した。C_<1.4>Fのナノスペースは、0.91nmと殆ど変化しないが、マイクロポア容量は0.65→0.19ml/gと大きく減少した。C_<1.4>Fではsp^2→sp^3への大幅な移行が起こり、共有結合に近い〃C-F結合が生成する。しかしながら、脂肪族アルコールはHenry型吸着等温線を示し、van der Waals力で湿潤可能である。
|