研究課題/領域番号 |
07651002
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
藤田 慎一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (60100210)
|
研究分担者 |
北川 敏一 京都大学, 工学研究科, 講師 (20183791)
堀井 英雄 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (10100215)
|
キーワード | 放射線 / 間接作用 / 生体損傷 / ヒドロキシルラジカル / 5-置換ウラシル / 付加反応 / 置換基効果 / パルスラジオリシス |
研究概要 |
放射線による生体損傷機構を化学反応性に基づき理解することを目的として、5-置換ウラシルの反応性に及ぼす置換基効果に関する実験的ならびに理論的研究を実施した。放射線の間接作用に注目した平成7年度の研究結果を踏まえ、平成8年度は放射線の直接作用に関連して5-置換ウラシルのラジカルカチオンの生成およびそれらのラジカル種への変換過程の動的挙動を解析し、各種ラジカル中間体の構造と反応性の関係を明らかにした。主な研究成果は下記のとおりである。 1.ラジカルカチオン中間体の生成にはS_20^<2->_4の一電子還元によって生成する酸化性のSO^-_4を利用し、ラジカルカチオンおよびプロトン脱離を経て生成するアリルラジカル中間体の動的挙動と反応性を明らかにした。 2.チミンの一電子酸化による分解生物を分析した結果、5-ヒドロキシメチルウラシル、N(1)-C(5)結合二重体およびN(1)-C(6)結合二重体が主生成物として得られることを明らかにした。 3.アリルラジカル中間体の頭一尾結合によって生成するN(1)-C(5)結合二重体を定量し、生成のG値が5-置換基の種類によって著しく変化することを明らかにした。 4.5-置換ウラシルのラジカルカチオンおよびアリルラジカルの構造と反応性の相関について理論有機化学的立場から検討し、平成7年度に明らかにされたヒドロキシルラジカルに対する5-置換ウラシルの反応性、およびそれらから誘導されるラジカル中間体の反応性に関する研究結果と比較した。
|