平成7年度には、市販の国産および外国製のアルカリマンガン乾電池について連続放電容量および、再利用(充放電)の可能性を検討した。そして、充電気も試作した。アルカリマンガン乾電池の再利用は可能で、短時間使用してその後充電することにより、1個の電池で電池20個分程度に相当する程使用可能な電池もあることがわかった。また、市販の部品を使用して試作した充電器は太陽電池を使用したので、電気(交流)のない所(アジアや被災地など)でも使用可能で、しかも千円以下で作製できた(特許申請)。安価である。 平成8年度は、平成7年の成果にもとずきアルカリマンガン乾電池の再利用をさらに進めるために、負極側に有機添加剤(約60種類)を添加して、電池寿命の延命をはかった。その結果、ある種の添加剤を添加すると、無添加電池を一次電池として使用した場合の約6倍二次電池として使用した場合の約2倍それぞれ電池寿命を延ばすことができた。(特許申請) また、最新型電池の寿命はどれ程延びたか、また、自動車中では日中相当温度が上昇するので、高温(75℃)中に放置されたアルカリマンガン乾電池の電池寿命も調べた。75℃の恒温槽中に2日間放置すると電池の寿命はほとんどの電池で短くなり、なかには10%以上も短くなった電池もあった。 アルカリマンガン乾電池を解体して、セパレーターの形状や大きさ、枚数、材質、なども調べた。いずれも電池により異なっていた。セパレーターが電池寿命に与える影響は大きいようである。電池によっては連続放電中にセパレーターから亜鉛極(負極)方向にデントライトの成長がみられた。
|