光照射下銀接合型酸化チタン触媒を用いるポリハロゲン化合物のオレフィンへの付加反応において、極性オレフィンでは反応はほとんど進行しな一方、非極性オレフィンではポリハロゲン化合物との付加物を収率良く与えるという結果を得た。一方、アミノ酸基あるいはシアノ酢酸基の様な極性基で表面を化学修飾された酸化チタンを調整し、反応触媒として用いたところ、非修飾酸化チタン触媒に比べ若干極性オレフィンへの付加の進行が促進されたが、顕著な差異には至らなかった。そこで、アクリル製ω-アルケニル、ω-アルケニルビニルケトン、ω-アルケニルビニルエーテル、ω-アルケニルアリルエーテル、ウンデシレン酸ビニルあるいはアリルの様な極性及び非極性二重結合を分子中に有する基質を銀接合酸化チタン触媒存在下に四塩化炭素あるいはブロモホルムと光反応させたところ、極性二重結合と非極性二重結合の間のメチレン鎖が4以下では複雑な混合物となり、又、収率も低かったが、メチレン鎖が6以上では非極性二重結合に選択的に付加した生成物の収率が増大した。この様にして得られた非極性二重結合への選択的付加物に対し、更に、以下の様な変換反応を施した。(1)アクリル酸ω-アルケニルあるいはω-アルケニルビニルケトンと四塩化炭素との付加物にベンジルあるいはブチルアミンを付加させて後硝酸銀で処理することにより、分子中にアミノ基を有する大環状ラクトンあるいはケトン類を得た。(2)ω-アルケニルビニルエーテルと四塩化炭素との付加物を三フッ化ホウ素存在下で反応させることにより、側鎖末端に-CHClCH_2CCl_3基を有するポリマーを得た。(3)アクリル酸ω-アルケニルあるいはω-アルケニルビニルケトンと四塩化炭素との付加物をナトリウムナフタリド存在下に反応させることにより、側鎖末端に-CHClCH_2CCl_3基を有するポリマーを得た。
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