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1996 年度 実績報告書

プラズマを利用する炭化水素へのヘテロ原子の直接導入

研究課題

研究課題/領域番号 07651036
研究機関埼玉工業大学

研究代表者

手塚 還  埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50118668)

研究分担者 岩崎 政和  埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (20232663)
キーワードプラズマ / 芳香族炭化水素 / ヘテロ原子導入 / グロー放電電解 / 水酸化 / シアノ化
研究概要

本研究はプラズマによって生成する無機ガスからの原子状活性種に加えて有機分子由来の活性種をも最大限に活用することにより新たな有機化学反応、特に種々の炭素骨格上へのヘテロ原子の一段階直接導入のための手法を開発、確立することを目的とした。従来、このような高エネルギー条件下での反応は選択性に乏しいという見解が一般的であったが、本研究はプラズマと液相との相互作用およびそれから誘起される溶液内反応をも積極的に活用することにより活性種の反応性の制御を実現しようとしたものである。
初年度は芳香族炭化水素を対象として含酸素官能基の導入反応を検討した。高周波プラズマ中において酸素ガス共存下でアルキルベンゼン類は容易に酸化されるが、このとき環の水酸化によるアルキルフェノール類の生成とアルキル側鎖の酸化によるアルコールおよびカルボニル類の生成が競争的に進行した。しかし側鎖上に二重結合がある場合にはそこでのエポキシ化反応が優先的に起こり、環の水酸化は起こらなかった。
次年度はプラズマ-溶液相互作用で誘起される溶液内反応の開発を進めた。水溶液上でのグロー放電電解により溶液中に溶解したフェノール類は酸化的分解を受ける。その酸化経路を詳しく検討した。水の解離で生成した水酸ラジカルが芳香環を攻撃し、まずカテコール、ヒドロキノンが生成し、さらにそれらからピロガロール、ヒドロキシヒドロキノンが誘導されたのち芳香環の開裂が起こり、種々の二塩基酸を経て最終的に二酸化炭素と水になることが推定された。アセトニトリル溶液の場合には溶媒分子の解離によりメチルおよびシアノラジカルが生成し、それらが芳香環を攻撃することでトルエン、ベンゾニトリル類が生成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Tezuka and M.Iwasaki: "Oxidative Degradation of Organic Pollutants in Water by Glow Discharge Electrolysis" Proc.Asian-Pacific Confer.Plasma Sci.Techn.3. 423-427 (1996)

  • [文献書誌] M.Tezuka and T.Yajima: "Oxidation of Aromatic Hydrocarbons with Oxygen in a Radiofrequency Plasma" Plasma Chem.Plasma Process.16. 329-340 (1996)

  • [文献書誌] M.Tezuka: "Plasma Chemistry for Development of Novel Materials" Chemical Sciences. (in press).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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