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1996 年度 実績報告書

芳香族ビスケテン化合物を用いる芳香族ポリエステル・ポリアミドの新規合成法

研究課題

研究課題/領域番号 07651083
研究機関三重大学

研究代表者

伊藤 敬人  三重大学, 工学部, 教授 (90126954)

キーワード芳香族ビスケテン化合物 / キノン / キノンジイミン / 芳香族ポリエステル / 芳香族ポリアミド / 合成 / 光反応
研究概要

高圧水銀畑ランプの照射下、ベゾシクロブテンジオン(1)とキノン類(ベンゾキノン(2a)、ドデシルチオベンゾキノン(2b))との反応を三種類の溶媒(ベンゼン、クロロホルム、アセトニトリル)中で検討した。光照射下で、化合物1はキノン類と反応してポリマー(収率68-85%)と少量のDiels-Alder付加体(収率4-9%)を生成した。生成ポリマーの分子量は2000-3000であった。1と2bとからのポリマーは通常の有機溶媒に可溶で、そのスペクトル解析より芳香族ポリエステルであることがわっかった。1と2bとの反応系について、反応時間にたいするポリマー分子量の変化を検討した。ポリマーの分子量が時間とともに増加することを見いだした。更に1と2aの反応系のESR測定から重合はラジカル機構で進行していることがわっかった。これらの事実より1とキノン類の光反応による芳香族ポリエステル生成の機構は、1の光反応により生成した1、2-ジカルボニル-1、2一ジヒドロベンゼンがキノン類と反応してビラジカルを生成し、そのビラジカルが再結合をへてポリマーを与える機構であることが明らかとなった。同様に、高圧水銀ランプの照射下、ベゾシクロブテンジオン(1)とキノンジイミン類(N,N-ジエトキシカルボニルベンゾキノンジイミン(2a)、N,N-ジベンゾイルベンゾキノンジイミン(2b)、N,N-ジベンゼンスルフォニルキノンジイミン(2c)、N,N-ジフェニルベンゾキノンジイミン(2d))との反応をベンゼン中、0℃で検討した。1と2a、1と2bの反応では1時間で分子量1500-2500の淡黄色粉末固体が70一95%の収率で得られた。得られたポリマーは仕込み組成に関係なく1:1組成で、モデル化合物とのIR,NMRスペクトルの比較より芳香族ポリアミドであることがわっかつた。しかし、このポリマーは光照射により分解をされるため高分子量のポリマーが生成しないことが新たな知見として得られた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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