研究概要 |
6-クロロデオキシセルロースを原料として、ヒドラジノデオキシセルロース(HDC),カルボキシアルキルヒドラジノデオキシセルロース(α-およびβ-CAHDC)、アルキルアミノデオキシセルロース(AADC)、カルボキシメチルアミノデオキシセルロース(CNADC)などの金属イオン吸着性の官能基を有するセルロース誘導体を合成し、それらの合成条件について詳細に検討するとともに、合成したこられのセルロース誘導体を吸着剤として用いて、各種重金属イオンの希薄水溶液からの吸着挙動について検討した。いずれの吸着剤においても、水溶液のpHが酸性側から中性側に移行するにつれて、金属イオンの吸着量は急激に増加し、いちじるしいpHへの依存性が認められた。pHが一定の条件では、金属イオンの吸着量は、吸着剤の種類によらずCu^<2+>>Cd^<2+>>Co^<2+>>Ni^<2+>の順であり、いずれの吸着剤もCu^<2+>に対して高い吸着能を示した。また、これらの金属イオンの混合物を含んだ水溶液で、各種金属イオンに対する選択吸着性を調べたところ、いずれの吸着剤の場合もCu^<2+>に対する選択性がいちじるしく高いことがわかった。 また、反応中間体としてより反応性の高いブロモデオキシセルロースの合成条件を確立するために、セルロースおよびそのモデルとしてのメチルβ-D-グルコピラノシドの均一系での臭素化を行ない、反応位置および反応条件の検討を行なうとともに、得られたブロモデオキシセルロースとチオールの反応を行ない、均一系での反応のほうが高い置換度の生成物が得られることを確認した。
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