本研究では、Sec-Buliを開始剤として、リビングアニオン重合法により、液晶セグメントとしてメトキシフェニルフェノキシヘキシルメタクリレート、非晶セグメントとしてポリスチレンを含むブロック共重合体を合成し、その相分離構造と液晶相転移挙動を調べ、以下の事を明らかにした。 1.ブロックセグメント比(1:3〜3:1)にかかわらず、ラメラ相分離構造が認められた。この傾向は、非晶-非晶セグメントのブロック共重合体とは異なるものであり、液晶セグメントの結晶あるいは液晶場での高い配向性によるものと考えられた。 2.ラメラ状相分離構造において、液晶セグメントのメソゲン基は、界面と平行に並ぶ強い配向性を認めることができた。 3.ラメラ恒等周期は、液晶セグメントの結晶-液晶-液体転移にともなって著しく減少することが認められた。これは、結晶中における充分伸び切った主鎖骨格が、液体中のコイル形態に変化するという形態変化によっておこるものと理解された。興味深いことは、液晶場で、この形態変化が徐々におこっているという点にあり、液晶の配向秩序と相関して議論された。
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