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1996 年度 実績報告書

繊維蛋白質にみられる超二次構造に関する固体NMR法による研究

研究課題

研究課題/領域番号 07651103
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

吉水 広明  名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)

研究分担者 木下 隆利  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)
辻田 義治  名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
キーワード繊維蛋白質 / 超二次構造 / コイルド-コイル構造 / α-ヘリックス / コンホメーション / 固体NMR / 化学シフト / 羊毛ケラチン
研究概要

本研究では羊毛ケラチンや筋肉蛋白、細胞内構造物等にみられる7残基周期配列に着目し、これが構築する超二次構造の一つであるコイルド-コイル構造の詳細や分子運動性並びに固体物性との関連を主に固体NMR法を用いて解明することを目的とする。羊毛ケラチンについてその固体NMRスペクトルを観測したところ、L-アラニン残基のCβ炭素ピークの化学シフト値がコイルド-コイル構造に特徴的なものであることが明らかになった。すなわち、コイルド-コイル構造を多く含む成分を羊毛より分離・抽出し、その固体^<13>CCP/MAS NMRスペクトルを観測したところ、カルボニル炭素並びにその他の炭素由来のピークの化学シフト値から、主たる主鎖コンホメーションはα-ヘリックス及びβ-シート構造であるといえたが、L-アラニン残基のCβ炭素ピークの化学シフト値は、α-ヘリックス構造をとるポリL-アラニンのCβ炭素ピークのそれとは1ppm程低磁場側にシフトしていた。同様な結果がトロポミオシンにおいても観測され、また、その分子運動性はより束縛されていることが示唆された。これらを通じて代表的な繊維蛋白質である羊毛ケラチンやトロポミオシンの主たる構造といわれているコイルド-コイル構造についてその知見を固体NMRという手法により引き出すことができた。さらに、羊毛ケラチンについて熱及び湿熱処理を行ったところ、主鎖コンホメーションにはβ-シート構造の増大が確認されたが、コイルド-コイル構造が著しく変性することはなかった。なお、7残基周期配列を持たない繊維蛋白質であるエラスチンについて同様の検討を行ったところ、コイルド-コイル構造の特徴的な信号は見い出せなかったので、本研究において得られたコイルド-コイル構造判別法の妥当性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 早川善子,吉水広明,辻田義治,木下隆利: "^<13>C CP/MAS法によるエラスチンの構造解析" 高分子学会予稿集. 46. (1997)

  • [文献書誌] 高分子学会編: "高分子実験学5 高分子の構造(1)磁気共鳴法" 共立出版株式会社, 572 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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