• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

サルコミン/高分子系の協同的酸素結合とオンオフ素子

研究課題

研究課題/領域番号 07651116
研究種目

一般研究(C)

研究機関早稲田大学

研究代表者

西出 宏之  早稲田大学, 理工学部, 教授 (90120930)

研究分担者 土田 英俊  早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063461)
キーワード高分子錯体 / サルコミン / コバルト錯体 / ポリメタクリレート / 協同現象 / オンオフ素子 / 酸素結合
研究概要

古典的な酸素結合系であるサルコミン微結晶を分散、相溶性よく高分子中に担持させると、極めて鋭いS字型の酸素収着平行曲線を示すことを見出した。いわば協同的な結合反応が極めて単純な複合ポリマー材料で、気体酸素分子を対象にはじめて観測されたので、この協同過程をサルコミン微結晶の構造とそれを取り囲む高分子物性の作用として解析し、高分子に独特な協同効果としてシミュレーションするとともに、雰囲気の酸素濃度に応答して物性が顕著に変化するオンオフ素子として応用する可能性を明らかにすることが、本研究の目的である。本年度は、酸素分子の収着を平衡および動的に測定解析、次の成果を得た。
(1)エーテルから一定の手順で微結晶化したサルコミンを、ポリオクチルメタクリレートなどの簡単なポリマー中に均一に分散して、フィルムを作成した。ポリマーと微結晶の相溶性は高く、均質で柔軟なフィルムとなった。(2)サルコミン高分子への酸素の識別収着良を既設の気体収着測定装置で定量した。酸素濃度(分圧)と収着量の関係曲線を一連の条件で得た。酸素収着曲線は、雰囲気がある特定(具体的には例えば酸素分圧15cmHg)の酸素濃度に至るまではほぼゼロを保った後、急激に酸素収着が生起し、飽和に達する。この現象が再現性よく、一定特性のサルコミン高分子で認められることを確認した。(3)S字型収着曲線の位置と立ち上がり度を、協同的結合反応のHill式を修正してシミュレーションし、協同効果の係数(いわゆるアロステリック因子)として数値化できた。例えば、係数6はヘモグロビンの2.8に比較して著しく大きく、この系での協同的現象の強さを裏付けた。(4)酸素収着にともない試料片の可視部色調および赤外吸収は変化するので、これを標識として高速分光法により、高分子固相内での酸素結合過程をin situ追跡した。収着実験の結果と矛盾なく協同現象を解析できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H. Nishide: "Specific Oxygen-Binding to a Polymer-Supported N, N-disalicylidenethylenediaminocobalt Complex" Macromol. Symp.(印刷中). (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi