本年度は当研究の初年度で、突風モデルの作成、フライトシミュレータの作成、突風下での最適操縦を求めるための予備検討を行う事を目的とした。突風モデルに関しては、二重渦輪による誘起速度場によって、マイクロバーストを近似させる事が出来た。フライトシミュレータは、操縦部と視界・計器表示部からなるシステムを作成し、作成した突風モデルを組み込んだ。これにより、ILS指示電波に従い降下する航空機がマイクロバーストに遭遇するシミュレータを完成することが出来た。シミュレータには飛行記録を残し、後に解析評価できるようにデータ・レコーダー機能も組み込んだ。突風下での操縦法の研究に関しては、並行して最適制御理論による解析を実施し、検討を進めている。今後は、得られた最適操縦方法を実際の操縦に生かすための検討を、作成したシミュレータによって研究する。また、この際、突風の大きさをパイロットに表示出来るように、飛行中に突風の大きさを同定する方法の検討も進めている。
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