研究課題/領域番号 |
07651126
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
石田 良平 大阪府立大学, 工学部, 講師 (30145817)
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研究分担者 |
杉山 吉彦 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90032268)
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キーワード | ソーラーパネル / ヘルスモニタリング / 拡張カルマンフィルタ / 遺伝的アルゴリズム(GA) / NP完全問題 / ナップザック問題 / 離散的ファジィ推論 / トラス構造物 |
研究概要 |
平成7年度は、主に、著者らが提案してきた拡張カルマンフィルタを用いた同定手法の再検討と問題点の洗いだしおよび基礎的実験設備の整備を行った。特に、同定手法における問題点についてに、研究分担者との検討によって、構造(連続体の概念も含む)の欠陥を、構造に発生した不均質性に置き換えるという着想に至った。 上述の着想に関連した計算機シミュレーションを行い、次のような同定手順が適当ではないかという知見を得た。1)粗い同定を行い、欠陥の概略を把握する。このための手法として、生物進化に着想を得た遺伝子アルゴリズムの導入が効果的である。2)同定の第1段階としての遺伝的アルゴリズムに基づく手法によって同定された結果を初期値として拡張カルマンフィルタを適用し、詳細な同定を行う。これは、拡張カルマンフィルタの初期値依存性を回避するためである。3)上の二つのステップを結合し、一つのハイブリッド同定システムを構成する。 計算機シミュレーション、特に、遺伝的アルゴリズムに基づく手法について、次のような知見を得た。すなわち、ソーラーパネルやトラス構造物はいわゆる離散構造を持っているため、解くべき欠陥同定問題はNP完全問題に属する。NP完全問題とは、ナップザック問題のように、すべての組合せを調べるしか有効な方法がないといわれている問題である。ナップザック問題は、そのため、暗号生成の手法としてとして用いられている。現在、この種の問題を解くための一つの手法として、離散的ファジィ推論手法の開発と検討を進めている。 なお、本年度の研究成果の一部を、平成7年12月11日に開催された「システム最適化シンポジウム」において学会発表を行った。
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