研究概要 |
1.液滴火炎内すす濃度分布の測定 平面レーザ光散乱法を用いたすす濃度分布測定を行うための実験装置を設計,製作した.微小重力実験に適用するための予備実験として,まず通常重力下において装置の構築および測定を行った.光源として,総合出力2Wのアルゴンレーザを使用した.レーザ光は,球面レンズおよび円筒レンズによりシート状にされ,液滴火炎に照射された.受光系として,ハーフミラー,干渉フィルタおよび2台のCCDカメラを用い,火炎とすすの散乱像を同時に観察した.燃料としてn-ドデカンを用い,雰囲気圧力を変化させて測定を行った.その結果,本測定装置により,すすの散乱像を明確に観察することが可能であることが確認された.また,すすの高濃度領域は,火炎領域の外縁付近に存在し,液滴近傍にはほとんどすすが存在しないことがわかった.現在,上記装置を改良し,微小重力実験用測定装置の試作を行っており,平成8年度に微小重力実験を行う予定である. 2.レーザ誘起蛍光法を用いた液滴温度の非接触測定 レーザ誘起蛍光法のひとつであるエキサイプレックス法を用いた液滴温度測定装置の開発を行った.同方法は,液体燃料に微量のTMPDおよびナフタレンを混入させ,それに紫外光を照射して得られる蛍光スペクトルの温度依存性から液体の温度を決定するものである.光源として小型の窒素レーザを用い、スペクトルの測定には,イメージインテンシファイア付き多チャンネル光検出器を使用した.本年度は,通常重力下において燃焼中の液滴の温度を熱電対で測定するとともに,液滴からの蛍光スペクトルを測定し,スペクトルの温度依存性を確認した.この結果をもとに,平成8年度に微小重力下において測定を行う予定である.
|