船体外板の塑性曲げ加工法の実用化を目的に、主に外板基礎曲面を得る方法について三年間に渡り研究を行った。具体的には。既設の多点プレス試作機を利用する研究となることより、曲げ加工実験を始め、ついで、既に開発済みの有限要素弾塑性の板曲げ数値解析プログラムの数値計算精度を、コンプリ-トな数値解析プログラムNASTRANを用いて再確認するとともに、板の繰り返し曲げ加工への応用に向けての方針を見いだした。以下、その概要を纏める。 (1)多点プレスを用いて、板曲げ加工をするときに、曲面形成時点において、主に働いているプレスヘッドを抽出し、従来の手法に見られる等間隔プレスヘット配列の不利を指摘した。 (2)つぎに、この実験結果に沿って、プレスヘッドの再配置を試み、今まで、問題視されてきた局部座屈の原因となる局所的不整量の発生の防止艇策に1つの指針を示した。 (3)さらに、実際の船体外板の曲げ加工である撓鉄作業に対応するよう、長方形板の曲げ加工を行った。その結果、ほぼ実験段階では、塑性曲げ加工の実用化に適応する手法の確立に可能性を見いだした。 (4)とくに、板のロール方向が横撓みに及ぼす効果も、若干、調査したところ長方形板については当初の予想ほど、影響は受けることはなかった。 以上が主な研究成果であるが、実際の生産現場において生ずる問題の内、試験片の幾何形状では、台形板および長尺板、曲面形状に関しては、捩れ形状の曲げ加工法の問題点に触れる事ができなかった。
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