当年度は、震災による被害があり、これに関連する水槽応急工事等のため当初予定していた実験が実施できなかったので予備的研究に当て、主にこれまでに得ている実験計測の航走波データを基にして動揺小型船に作用する航走波強制力を試算し、懸案となっている船体縦揺れに現れる動揺特性と比較して以下の結果を得た。 ●航走波の最大縦揺強制モーメントは、小型船が航走船の発散波を正面からでなく、斜め向かい波状態で受けるときに現れる。 ●これは、既実験の最大縦揺れの現れる状態と符合する。 ●この符号により、航走波は現在計算可能であるので、任意船型の航走波による動揺の推定が可能との感触を得た。 ●上の●を実験で検証することは来年度の課題となる。 その他、これまでに収集した資料や本学実験結果を整理し、航走船の任意船速、任意離隔距離における発散波最大波高の表示式を得た。 本年度の研究は予備的な範囲に留まったが、今後の研究を進める上で有用な結果を得ることができた。
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