研究課題/領域番号 |
07651149
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原 剛 九州大学, 工学部, 助手 (20159099)
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研究分担者 |
古山 隆 九州大学, 工学部, 教務員 (90284546)
野中 壯泰 九州大学, 工学部, 教務員 (60271102)
森 祐行 九州大学, 工学部, 教授 (90037755)
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キーワード | ゼータ電位 / 懸濁微粒子 / 電気泳動法 / 凝集・分散現象 / 統計処理 |
研究概要 |
鉱山廃水処理をはしめ、懸濁液中で微粒子を扱うプロセスにおいては微粒子の凝集・分散現象を明確に把握することが重要である。そこで、申請者は、これまでに凝集・分散現象を規定する要因の1つであるゼータ電位に着目し、顕微鏡電気泳動測定装置を用いて、単一鉱物粒子のゼータ電位の測定に関する研究を行ってきた。しかし、実際の鉱山廃水等の懸濁液中には鉱物が単一で存在することは少ない。従って、複数の鉱物粒子が混在した懸濁液中での鉱物粒子のゼータ電位を測定する必要がある。そこで、本研究では、単一鉱物懸濁粒子としては、反対の電位を持つ石英と蛍石を試料として、石英・蛍石混合懸濁粒子のゼータ電位測定を行った。その結果、測定条件によっては、粒子同志の凝集による二次粒子の形成、或いはゼータ電位の符号が異なる石英と蛍石の1次粒子が混在した状態がセル内の懸濁粒子の動きから確認された。そのために、従来の方法では測定と解析が困難な場合がでてきた。この問題を解決するために、申請者等は、装置,測定方法および解析法の改良を行った。 装置および測定方法の改良としては、長方形ガラスセル内の深さ方向における数個所のレベルで測定する懸濁粒子の移動速度を、従来の直接顕微鏡の視野からの測定に換わって、TVカメラとVTRで録画し、再生した画像から懸濁粒子の移動速度を数多く測定することにした。解析法の改良としては、セル内の懸濁粒子の移動速度を各レベルで、従来の20個から120個に増やして測定したデータを統計的に処理した。 以上のように、改良された方法でゼータ電位を測定した結果、良好な結果が得られ、今回の石英・蛍石2種類の混合懸濁液から、さらに、実際に鉱山廃水等の懸濁液の場合のように、多くの複数鉱物粒子が混在する懸濁液についてもゼータ電位を測定することが可能となった。
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