本研究は、世界の炭鉱で問題となっている坑道天盤の崩壊メカニズムを解明するための研究であり、岩盤力学に立脚した解析を試みた。本研究で得られた結果をまとめるとつぎのようである。 1)これまでに報告されている岩盤梁の破壊モードを分析し、岩盤梁の破壊モードは3つのタイプに分類できることを明らかにした。すなわち、第1のタイプは、支承面近くに存在する節理に沿って滑り落ちるタイプであり、第2のタイプは、圧縮応力の働いている個所で岩石が破砕され、その結果、岩石ブロックの回転が可能となって崩壊するものであり、第3のタイプは、岩石ブロックが回転できる程度までたわんで起こる弾性的ないし塑性的な座屈である。 2)節理が岩盤梁に垂直ないし急角度に存在している場合に限定して構造力学的に解析する方法を提案した。 3)提案した解析方法において、岩盤梁の軸方向の引張強度を零と仮定すると、比較的簡単なイテレーションによって岩盤梁のたわみ解析が可能であることを明らかにした。
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