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1996 年度 実績報告書

破壊とすべりの過程で発生するAEのスケーリング則の確立

研究課題

研究課題/領域番号 07651154
研究機関京都大学

研究代表者

柳谷 俊  京都大学, 防災研究所, 助教授 (00259128)

研究分担者 塚田 和彦  京都大学, 工学部, 助教授 (10179971)
キーワードアコースティック・エミッション / AE / AEのスケーリング則 / 自己相似性
研究概要

主破壊に先立つマイクロクラックの発生に伴って放出されるアコースティック・エミッション(以下AEと呼ぶ)を、多チャンネル・デジタル・オシロスコープのチャンネルを並列に使って、広帯域(DC〜5MHz)で広ダイナミック・レンジ(0.05mV〜50V)で長時間(0.4s)サンプリグして観察した。この結果、AEを観察したダイナミック・レンジの範囲では、振幅についてはべき乗則が成立することが明らかになった。さらに、最大振幅とAEウエーブトレーンのあいだにも同様の関係が成立することもあきらかになった。ただし、振幅と卓越周波数のあいだには系統的な関係が見られなかった。これがAEの固有の性質であるか、測定系の問題であるかは解決されなかった。その理由は、微少な振動であるAEを測定できる物理的に厳密な意味をもつトランシデュサーが存在しないからである。このことは長い間、AEの研究を阻むバリアーとなっており、残念ながら、本研究でも克服する方法が見つけられなかった。また、ひじょうに広帯域の測定系を使ったにもかかわらず、卓越周波数が2MHzを越えるAEは発見できなかった。これは、AEを放射するマイクロクラックに下限があり、自己相似性が破れていることを表している。また、たくさんのAEイベントを詳細に観察したにもかかわらず、大きいAEが小さいAEを引き続いて誘発するという現象は発見できなかった。このことは、AEには余震が存在しないことを表しており。地震とAEは、一直線に連続する現象ではないことがあきらかになった。つまり、自然地震とAEの類似性が暗黙の前提とされる議論がなされてきたが、類似性は振幅のべき乗則にかぎられていることがわかった。本研究の結果、AEに対する謎はさらに深まった感があり、より精力的な研究が必要であろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kiyama,T.et al.: "Permeability in anisotropic granite under hydrostatic compression and triaxial compression including post-failure region" Proc.2nd North American Rock Mechanics Sympsium NARMS'96. 2. 1643-1650 (1996)

  • [文献書誌] Kawakata,M et al.: "The observations of faulting in Westerly granite under triaxial compression by X-Ray CT Scan" Proc.36th U.S.Rock Mechanis Symposium. (1997)

  • [文献書誌] Hanasaki,K.and K.Tsukada: "Application of image restoration filter to Two Dimensional measurements of magnetic flux leakage field around a surface fla" Proc.1st US-Japan Symposium on Advances in NDT. 1. 183-186 (1996)

  • [文献書誌] 塚田 和彦: "ワイヤーロープの保守検査技術に関する研究の現況" 検査技術. 97・2. 7-14 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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