平成7年度において、下記の通りの実験を実施した。 1.栽培種のトマトを供試して、主茎と仮軸の器官配列と維管束走向を観察した。その結果、これまで調べてきた野生種のトマトと相同性が認められた。 2.栽培種のトマトの開花後2〜6週間の果実において、主茎上の最上位葉から1〜5枚下位の葉に^<14>CO_2を施与し、施与後2〜24時間後に、施与葉と果実の間の茎と果実内を縦走する維管束部分を切り分けて採取し、^<14>C-光合成産物の転流経路を維管束単位で調べた。その結果、野生種のトマトで調べた結果と相同性が認められた。 3.採取した維管束部分のアルコール可溶性^<14>C-活性を測定し(液体シンチレーションカウンター使用-現有設備)、それぞれのソース葉に対応した茎と果実内での主な転流経路を維管束単位で調べた。 4.それぞれの部分で最も^<14>C-活性の高い維管束部分について^<14>C-糖を分取し、高速液体クロマトグラフィー(主要設備)で分取し、液体シンチレーションカウンターで^<14>C-活性を測定した。 5.現在、トマトの転流物質について主な転流経路にしたがって各^<14>C-糖の^<14>C-活性を調べている。この結果が得られれば、当初目的とした真の転流物質について明らかにすることができる。 6.今後、仮軸における転流経路と糖代謝についても調べる予定である。
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