研究概要 |
FISHによるノビルの稔性系統と不稔性系統間の染色体構成の違いを、ノビルのゲノムDNA由来のプローブを用いてFISH法により解明しようとした。ノビル両系統のゲノムDNAを幼葉から抽出した。このDNAを、40種類のプライマー(Operon 10-mer Kits,A Kit 1〜20,B Kit 1〜20)を使用しPCRにより増幅した。その結果、20種類のプライマーで系統間に異なる多型がみられた。これら系統間で異なる多型を示したプライマーを用いて再び電気泳動して、多型バンドを切り出し、そのDNA断片を回収精製した。このDNA断片を増幅させるため、それぞれ同じプライマーでPCRを行い、同様に回収精製した。その結果、400bpから1800bpまでの合計12プローブがFISH用のプローブとして使用できるものと考えられた。得られたプローブをスクリーニングするため、ゲノムDNAをECLシステム(Amersham)を用いてサザンハイブリダイゼーションした。しかし、フィルター上で蛍光が認識できるプローブは確認できなかった。今後、さらにPCRによるプローブの作成を進めると同時に、染色体標本上のDNAをPCRにより直接増幅するin situ PCR法や染色体顕微切断法などの手法もあわせて試みる予定である。
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