研究概要 |
バラのベントネックを防ぐRNA-Ag+トリスヒドロキシメチルアミノメタンの効果はAgによる切り口付近の殺菌効果であることが前年の試験から明らかになったので、今年度はRNA-Agの茎内でのAgの移動性を高める試験を集中的に行ったところ、RNA-AgのAg含有量を高めることにより切り口から20cmまで移動させることに成功した。すなわち20cmまでは処理後切り戻しても効果が持続する。STSと同様に花蕾まで移動させることが次の課題であるが、現在のところ成功していない。 次の課題はAgを含まない環境にやさしい前処理剤の開発である。オランダではPeptides(cecropinB,hordothionin,tacdyplesin)に強い殺菌効果を認めているので、これらの化合物に酸化水、2-ヒドロキシ-3-イオネンクロライドポリマー、Nonoxynol-8.5などを加えて、平成9年度に試みてみる予定である。また、STSの成分である硝酸銀とチオ硫酸ナトリウムの混合比率をかえて前処理剤として利用できるかどうかも検討する予定である。
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