研究課題/領域番号 |
07660083
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
杉本 敏男 神戸大学, 農学部, 助教授 (70240851)
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研究分担者 |
末吉 邦 神戸大学, 農学部, 助手 (10216278)
王子 善清 神戸大学, 農学部, 教授 (90031195)
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キーワード | ダイズ(種子) / 窒素肥料 / 品質 / タンパク含量 / 脂質含量 |
研究概要 |
開花期に与える窒素肥料がダイズ種子のタンパク質と脂質などの貯蔵成分含量に与える影響を調べた。高タンパク質含量品種であるエンレイと高脂質含量品種であるタマホマレを1株当たり2個体(1品種当たり60株)を栽培し、開花後の8月1日に1株当たり10gの硫安を株元にまいた(高窒素区)。開花が始まったのはエンレイは7月18日、タイホマレは24日であった。開花開始から60日頃から10日間隔で登熟途中の種子を3回採取し、凍結保存した。完熟種子は植物体が枯れた後に回収した。種子を重量の違いにより分離し、各々のタンパク質含量、脂質含量、酸素活性(ホスホエノールピルベートカルボキシラーゼ)を測定した。登熟途中の種子重量の変化は両品種ともに窒素追肥の有無によりほとんど差はなかったが、エンレイでは低窒素区の方が、タマホマレでは高窒素区の方がやや早かった。タンパク質含量はエンレイでは窒素追肥をしない低窒素区で42〜44%、高窒素区で40〜42%、タマホマレでは低窒素区で36.5〜37.5%、高窒素区で34〜36.5%で、種子の重量がエンレイで0.23g,タマホマレで0.24gでタンパク質含量は最も低くなりそれ以上の大きさでは種子重と共に増加した。また、脂質含量はタンパク質含量と全く逆の結果になり、エンレイでは低窒素区で13〜14.5%、高窒素区で14.5〜16%、タマホマレでそれぞれ15.5〜16%、16〜16.5%になった。これらのことから、開花期の窒素施肥により種子のタンパク質含量が低下し、脂質含量が増加することが分かった。登熟途中の種子の分析を行い、生育時期の違いの成分への影響を検討する。来年度は、種子の中での物質代謝について調べる。
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